あおたん日記

アイコンは私の似顔絵です。

情報量はまっぷるの1/4くらい―女子に圧倒的に支持される「ことりっぷ」の作り方【イベントレポート】

2015年5月31日に開催された【編集女子が「私らしく生きるため」の旅コンテンツ作戦会議】に参加してきました。

編集やコンテンツ、そして女性の生き方、働き方を様々な切り口で語っていくこのイベント、今回は「旅」がキーワードでした。

自分が感じたことの振返りも兼ねて、イベントレポートをお届けします。 

 

<イベント登壇者>

昭文社ことりっぷ編集部

中村あゆみさん

 

これからの暮らしを考える情報ウェブメディア「灯台もと暮らし」編集長

佐野知美さん

 

登壇者はお二方ともものすごい旅好きで、年間100万円以上を旅行に使っているのだとか…!

 

とにかく女性目線!ことりっぷの作り方

 

いまでこそことりっぷ風のおしゃれなガイドブックが多く出ていますが、当時は情報詰め込み型でインパクト重視のガイドブックしかありませんでした。「なんでガイドブックはおしゃれなものを選べないんだろう」という想いからことりっぷが生まれたそうです。

 

実は、初めて「ことりっぷ」に出会った時の衝撃をよく覚えています。

母が京都旅行に行くために買ってきたんですが、今までの旅行ガイドブックの常識をくつがえす可愛さで本当にびっくりしました。

 

ガイドブックっておそらく実用書的な役割が大きくて、つまり「必要があるから買う」というものだったと思います。でもことりっぷには、そういう実用を越えてコレクションしたくなるような魅力があります。本として、読み物として、そばに置いておきたくなるような。

 

それを支えているのが、シンプルな装丁や持ち歩くにも本棚に置くにもちょうどいいサイズ感など、それまでのガイドブックでは大切にされてこなかった部分なんだと思います。

 

ライターもカメラマンも、できるだけ女性に関わってもらう。

 

お話を聞いているなかで、初めて知ったこだわりも。少しでも軽くするために紙もこだわっているということ。確かに他の本と少し材質が違いますよね。

 

中身の部分でもやはり女性目線を大切にしているようです。

 

 

ほかにもこんなこだわりも。

 

 

帯を外して手で持つと、ちょうど表紙に書かれている地名が隠れるようにしているそうです。

こんな細かい気配りが、圧倒的に女性に支持される要因なんですね。

 

情報量はまっぷるの1/4くらい、絞り込むことで付加価値を上げている

 

 

この情報の絞り込みが、実はことりっぷのもっとも重要な部分な差別化要素なのかなと感じました。

 

ことりっぷがヒットしてから、似たようなガイドブックが本当に増えましたよね。

女性向けで、見た目が可愛くて、薄くて小さめで…

 

でもそれってあくまで表面的なもので、中身は今までのガイドブックとそこまで変わらず、情報を詰め込んでたりするわけです。

 

その点ことりっぷは載せる情報を思い切って絞込み、ただでさえ小さい紙面の中に、旅行者自身が書き込みできるような余白を作っています。

そういったぱっと見ではわかりにくいこだわりこそ簡単には真似できないものだし、似ている商品がすこし安く売られていても、やっぱりことりっぷを選ぶ要因になるんだろうなと思いました。

 

トラベルライターになりたい人へ「まずはカタチにしてみてください」

 

旅が好きで、自分の旅をもっと発信したいという人へのメッセージとして、おふたりとも「とにかく自分で発信してみる」ことが大事だとおっしゃっていました。

 

佐野さんはライターとしての活動を本格的に始める前にtabというアプリ(旅行・おでかけに特化したPinterestみたいなイメージ)でクリップ帳を作っていたところ、数ヶ月でフォロワーが3,000人くらいになったそう。

そこからきっかけを掴み、トラベルライターとしての仕事につながり、別のメディアでも記事を書くようになったのだそうです。

 

個人が発信している記事も見ているから、実績を作れば見つけてもらえる

 

中村さんもまずは自分でブログを始めてみることをおすすめしていました。

やはり地元にいる人がその地域については最も詳しいので、ことりっぷに載せるコンテンツを探すときに個人のブログを見ることも多いそう。

 

読者が増えれば見つけてもらいやすくなり、観光客を増やしたい地方自治体にプレスツアーのような形で呼んでもらえることもあるそう。

 

ブログでもインスタでも、個人が発信する手段は多くある今は、先に実績を作るのが大事なんですね。

まあ、見つけてもらえるほどの実績を作ることが大変なんですけどね。

 

最後に

 

シリーズになっているこのイベント、「場作り」にもこだわられていて、トークセッション後の懇親会では毎回素敵なフードとドリンクが振る舞われます。今回のフードはなんとお弁当。めちゃくちゃ可愛かったです。

 

 

他にも女性の生き方、働き方に関するリアルなお話など、いろんなことの考えるきっかけをもらえました。

 

そして帰り道で、夏休みに行く予定の鹿児島のことりっぷを買って帰るのでした。