あおたん日記

アイコンは私の似顔絵です。

ユーザーと向き合う覚悟はある?オウンドメディアの乱立と運営者の胆力について

オウンドメディアは数年前に盛り上がっていた手法ですが、コンテンツマーケティングの流行によってまた注目を浴びている印象がありますね。

実際、コンテンツマーケティングに取り組むためにオウンドメディアを作るという企業は増加傾向にあると思います。

コンテンツマーケティング自体はなかなか本質的な考え方で好きなのですが、だからといってすべての企業が安易にメディアを運営するのはどうなんだろう?と日頃から思っていました。

そんなときに出会ったのがこの記事。

www.advertimes.com

自分が感じていた違和感が言語化されている気がしました。

と同時に頭の中が活性化されたのでメモしておきたくて。

新しいことに挑戦するのはいいことだけど、覚悟ないとキツイよ

Webマーケティングの手法は一時的に流行ってみんなやり始めて、ほとんどの人はとくに実ること無くやめていく…みたいなことがよく起こります。
でもそれ自体は特に問題無いと思うんですよね。その手法が合っていた人は続ければいいし、そうじゃなければやめればいいし、ほとんどはやってみないとわからないものなので。
 
でも長期的に成果を見なきゃいけないものを「流行ってるから」「競合もやってるから」という理由で始めてしまうのは、ちょっと怖いなと思います。
その怖さは実際に自分がオウンドメディアを運営しているから感じられるものなのかもしれません。広告を他社メディアに出稿しているのとはわけが違う、メディア運営の難しさがそこにはあると思います。
 
大前提として、オウンドメディアは会社の言いたいことを好きに書くことが「できる」場です。
でも、ここで「ひゃっほい!好きに宣伝できる場所を手に入れたよう!」ってなったら終わりです。
なぜなら、言いたいことだけを書いていても、誰もそのメディアを見に来ないからです。「できる」けど「やっちゃだめ」なんです。
 
そこで必要になるのがユーザーにとって価値のある情報を提供しようという強い意志であり、編集側の胆力であると思います。
 

オウンドメディアをやることは、ユーザーと向き合う窓口がもう一つ増えること

事業会社であれば、基本的には製品やサービスを通してユーザーと向き合っていると思います。より効率的に、より高い価値を、より多くの人に提供するために。
 
そしてオウンドメディアもユーザーと向き合う場所になります。それはサービスの既存ユーザーでは無いかもしれないけど、メディアの読者であるわけで、見に来てもらっている以上価値を提供する必要があります。
 
イケてないサービスからお客様が離れていくように、企業都合の情報しか載っていないオウンドメディアからは人が離れていきます。
 
これは宣伝記事は一切ダメだとか、読者の利益だけを考えろという意味ではありません。重要なのはバランスです。
企業として運営している限り、自社の利益につなげるためのコンテンツがあってもいいと思います。そこで全体のバランスが見えているか、宣伝が含まれているとしてもユーザーにとって見る価値があるものになっているか。明確な基準が無いからこそ難しいところです(そして運営責任者のふんばりどころ)。
 
今より向き会わなきゃいけないユーザーが増えたときに本当にそれができるか。その覚悟がなければオウンドメディアを成功に導くのは難しいと思います。

マーケティングを支援する側も覚悟が必要

 もう一つ考えておきたいのが、事業会社のマーケティングを支援する立場にある企業のことです。いわゆる広告代理店やWebマーケティング支援企業ですね。
 
一般的にすべてのマーケティング活動のすべてを自社内で賄うことは難しいので、部分的にもしくは全体的に外注するということも珍しくないと思います。
 
おそらく今だったら、Webマーケティングの一手法としてコンテンツマーケティング、そしてそのためのオウンドメディア構築を提案する企業は少なくないでしょう。
 
だけど、冒頭で紹介した「編集権の独立」の考え方を理解して提案している人はどれだけいるでしょうか?時には自社にとって都合の悪いことであっても発信する胆力が必要だというところまで説明してくれる人はどれだけいるでしょうか?
 
残念ながら私の肌感覚では、まだまだそういう人は少ないのではないかなと思います。私も自社のオウンドメディア運営をしなければそこまで想像つかなかったし。
 
すごく難しいことではあるのですが、クライアントとともに本当に良いメディアを作っていく覚悟をしたうえで、オウンドメディア運営を含めたコンテンツマーケティングを提案していきたいものです。
 

まとめ

だいぶ感情的になってしまいましたが、、、

小さい組織で外注を利用することもなく小さい規模のオウンドメディアを運営していても、企業としての立場とユーザーからの視線との間でぐっとこらえなくてはならないタイミングがあるくらいなのに、いくつか業者を利用して本格的に運用するってときに、もしユーザーと向き合う覚悟がなかったら…

 

背筋が凍るほどではないけど、「全く成果につながらない」というホラーが起こる可能性は大ありですね。

 

最初にも言ったけど、オウンドメディアという手法自体は適切に使えば素晴らしいものです。だから安易に手を出して「ダメだったね」となってしまうのは残念すぎます。

 

とりあえずやってみる軽やかさとユーザーと向き合う覚悟を兼ね備えてやっていきたいですね。